バーチャルオフィスの利用には、メリットもあればデメリットやリスクもあります。想定されるデメリット・リスクと、その回避策について解説しましょう。
バーチャルオフィスを運営する事業者には、2008年より犯罪収益移転防止法の改正が行われたタイミングから契約時の本人確認書類の確認が義務付けられています。これは、バーチャルオフィスのサービスが持つ性質によるもの。事業用の住所・電話番号をレンタルできるということから詐欺や犯罪に用いられた例もあり、規制の対象とされました。
もし本人確認書類の確認を怠った場合、上記のように犯罪行為や詐欺に利用されてしまう可能性がありますし、そもそも本人確認をせずにバーチャルオフィスを運営することは犯罪収益移転防止法違反に当たりますので、運営側も罰則を受けるとともに信用を失ってしまう、ということになります。
バーチャルオフィスを選ぶ際には様々なポイントをチェックしておく必要があります。ここでは確認しておきたいポイントについてまとめましたので、参考にしてみてください。
費用は毎月支払うため、しっかりと確認しておきたい部分です。ただし安ければいいというものではなく、サービス内容とのバランスが取れているか、という部分が重要なポイントといえます。
例えば取引先と打ち合わせをしたい時に利用できるスペースがあるかどうか、また郵便物の転送サービスがあるか、電話転送サービスが利用できるかといった部分は利便性に大きく関わってきます。どのようなサービスが用意されているかを確認しましょう。
バーチャルオフィスには足を運ぶこともありますのでアクセスしやすいかといった点はチェックしましょう。また、どこにオフィスがあるかによってクライアントに与えるイメージも異なってきますので、立地も確認しておきたい部分です。
バーチャルオフィスを活用する中では、運営者やスタッフと関わる機会は多くはありませんが、どこが運営元となっているかは確認しておきましょう。あまりないことですが、万が一反社会的な組織などが運営していた場合にはビジネスに影響が出ないとも限りません。
契約をする前に見学も行っておきましょう。しかし、中には見学を受け付けていないところもありますが、そういったバーチャルオフィスはあまりおすすめできません。しっかりと設備の見学を行い、納得してから契約することが大切です。
バーチャルオフィスは、ほとんどの業種で問題なく利用できますが、許認可が必要な一部の業種では行政の許可・認可がおりず開業できない場合があります。具体的に、人材派遣業や士業、建設業、不動産業、金融商品取引業者、中古品販売店などは営業許可・認可がされないおそれがありますから、自分のビジネスモデルがバーチャルオフィスでも法律に抵触しないかを確認することが大切です。
都心の一等地の住所を利用でき、顧客や取引先から信頼を得られることも、バーチャルオフィスを利用するメリットです。しかし、顧客や取引先が訪問するなどしてバーチャルオフィスだと判明したら、「信頼を損ねるのでは」とおそれている方も少なくないでしょう。
このリスクを回避するには、あらかじめバーチャルオフィスの利用を相手に伝えることが大切です。実際の仕事場所も伝えれば、信頼を損ねるリスクは抑えられます。
金融機関で法人口座を開設する際、バーチャルオフィスだと開設できない可能性があります。これは、バーチャルオフィスで開設した法人口座が、犯罪に利用されるケースがあったことが一因です。とりわけメガバンクでは、口座開設時に自社オフィスで面接をおこなうなど、審査が徹底しています。
とはいえ、無条件に口座開設できないということではなく、登記簿謄本の事業目的や事業計画書などに問題がなければ口座開設できますから、銀行に「信用できる相手」だと思わせる工夫も必要です。
万が一、バーチャルオフィスの運営会社が倒産した場合、登記した住所や電話などが使えなくなるリスクもあります。これを避けるには、信頼できるバーチャルオフィスを選ぶことが何よりも重要です。
オフィスを選ぶ際には、セキュリティ面もチェックしたいポイントです。特に、個人情報や会社の機密情報の漏えいといったリスクへの対策を講じているところであれば、安心して利用できるでしょう。PマークやISO27001(ISMS)の認証取得している運営会社なら、より安心です。
バーチャルオフィスの利用には、デメリットやリスクもあります。それをあらかじめ把握し、必要な対策を検討したうえで利用しましょう。リスクを少しでも抑えるには、信頼できるバーチャルオフィス運営会社を選ぶことも大切です。
【選定基準】
2022年6月1日時点、Googleにて「バーチャルオフィス 東京」と検索し、全検索結果の中で「バーチャルオフィス」のサービス内容が記載されていた運営会社39社の中から、設立10年以上の企業をピックアップ(結果19社)。
その中から、「料金の安さ」「セキュリティ面の高さ」「レンタル会議室付」でおすすめの会社は下記のように選定しました。
・マックスコーポレーション:設立10年以上の運営会社19社中、一番低価格でバーチャルオフィスを提供(※口コミも悪い口コミばかりじゃない会社を選定)
・Karigo:設立10年以上の運営会社19社中、ISO取得の会社の中(3社)で一番低価格でバーチャルオフィスを提供していて拠点が多かったバーチャルオフィス
・ワンストップビジネスセンター:設立10年以上の運営会社19社中、東京都内にレンタル会議室を持つバーチャルオフィスで拠点が一番多かった